エンジンオイルの損失は，現代のエンジン開発における深刻な問題である。エンジンのダウンサイジング、ターボ過給、ピストンリングの薄肉化、シリンダー圧力の上昇などが、エンジンオイルの損失につながる。エンジンオイルには約2000-3000ppmの硫黄が含まれており、燃焼中に酸化して二酸化硫黄が発生する。これは、触媒コンバーターの活性低下につながります。
さらに、リンのような他のオイル副産物はセンサーの特性を損ない、その結果、エンジンの作動不良や触媒コンバーターの機能低下につながります。オイルの損失を最小限に抑えるには，それがどのエンジン状態で発生するかを知ることが必要である。重量測定法は静的なエンジン運転状態に関する情報を提供できますが、動的なエンジン運転では、時間分解したオイル消費プロファイルを得るためにリアルタイム測定が必要です。
燃焼エンジンの生排ガス中の二酸化硫黄をオイル消費量の指標として使用することができる。燃料と潤滑油の硫黄濃度が既知であれば、排ガス中の二酸化硫黄濃度からオイル消費量をg/h（グラム/時）で計算することができます。V&F GasOxidizer は、粒子状結合硫黄を含む他のすべての可能な硫黄成分を純粋な二酸化硫黄に変換するために使用されます。
高感度のV&F 質量分析計は 、IMR-MS技術により40ppbまでのSO2濃度を測定することができます。通常、最新のエンジンは1時間当たり2～3グラムのオイルを消費するため、硫黄含有量の高いオイル（>5000 ppm S）を使用した場合、生の排気ガス中のSO2シグナルは 0.2～0.7 ppmSO2となる。
当社のV&F質量分析計でSO2トレーサー法を使用すると、リアルタイムデータが得られるため、技術者は最も正確なオイル消費プロファイルを作成することができます。それに比べ、重量測定のようなオフラインの方法では、一般的に試験前と試験後の2つのデータポイントしか得られません。また、時間がかかり、大きな誤差の原因となります。
放射性トレーサー法とは対照的に、当社のV&F測定装置のセットアップと取り扱いは、労働安全の観点から完全に安全です。V&FGasOxidiserは 、ガス化合物としても粒子としても、排気ガスの流れに存在するすべての硫黄の変換を容易にします。そのため、ガソリン、圧縮天然ガス、ディーゼルなどの異なる燃料を使用するエンジンのオイル消費量を測定することができます。測定装置を取り付けた直後から、エンジンのテストベンチにアクセスすることなく、必要なテストサイクルを実行することができます。
